「努力不足」と言われ続けた僕がADHDラベルを知って朝が少し楽になった話
2025.11.25投稿
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はじめに|「努力不足」と言われるたびに、心が固まっていた
「またミスしたの?もっとちゃんと確認して」
「やればできるのに、努力が足りないんだよ」
学生のころから、社会人になっても、僕の周りにはいつも「努力不足」という言葉がつきまとっていました。
- 提出物の締切をギリギリまで忘れている
- メールの返信をしたつもりで、下書きのまま放置していた
- 会議の日時を勘違いして、違う曜日に準備をしていた
自分でも「やばい…」「ちゃんとしなきゃ」とは思っていました。だからこそ、怒られたり「努力不足」と言われると、何も言い返せずに「そうだよな、全部自分のせいだ」と黙り込んでしまう。
家に帰るころには、仕事のクタクタと自己嫌悪がセットになっていて、子どもにイライラしてしまったり、パートナーにきつい言い方をしてしまって、そのあとまた激しく落ち込む——。
頭のどこかでは「自分は怠け者なんじゃないか」「ちゃんとできない大人なんだ」というラベルを、自分で自分に貼り付けていました。
※この記事は、医療の専門家ではない一人の体験談です。
診断や治療については、必ず専門機関に相談してください。
そんな僕が、ある日「ADHD気質」「発達障害グレーゾーン」という言葉に出会って、「もしかして、努力だけの問題じゃないのかもしれない」と見方が少しだけ変わりました。
この記事では、
- 「努力不足」と言われ続けた僕が
- ADHDというラベルを知って
- 朝活×思考整理でどう自分を整え直していったか
を、ひとつの物語としてまとめました。
読み終わるころには、「努力不足な自分」から「特性に合わせて整えていく自分」へ、視点がほんの少しでも動いていたらうれしいです。
「努力不足」ではなく、「ラベル」と「特性」の問題だったかもしれない
僕が「ADHD」という言葉を初めてちゃんと調べたのは、社会人になってから1年目のことでした。
- 同僚と同じ量の仕事なのに、自分だけ時間がかかる
- 会議のメモを取っても、後で見返すと何を書いたか分からない
- ToDoリストを作っても、3日でどこにいったか分からなくなる
このあたりまでは「要領が悪い自分」として受け入れていました。
でも、子どもが生まれてから状況は一気に変わります。
仕事・家事・育児のトリプルタスクで、頭の中はいつも「やることリスト」でいっぱい。そのリストも、すぐに抜け落ちていくようになりました。
「普通にできるでしょ」が、できない
職場では「このくらい普通にできるでしょ」という前提で仕事が振られます。
- スケジュールを立てて
- 優先順位をつけて
- 抜け漏れなく処理していく
頭では分かっているのに、実際には
- 優先順位をつける前に別のタスクに目がいく
- メールを途中まで書いて別の用事に行き、そのまま忘れる
- 「あとでやろう」と思った瞬間に、その「あとで」が永遠に来ない
失敗するたびに「努力不足」「ちゃんとして」と言われてきた結果、僕自身も「そうだ、自分は怠けている」と信じこんでいました。
ラベルを知ったとき、世界が少し書き換わった
そんなとき、本やネット記事で「ADHD」「発達障害グレーゾーン」という言葉を見ました。
- ケアレスミスが多い
- 片づけや段取りが苦手
- 興味があることには異常な集中力を発揮する
- 逆に、つまらないと思ったことが頭に入らない
その特徴を読んだとき、「これ、自分のことじゃない?」と、背筋がすっと冷たくなる感覚と、同時に少しだけホッとする感覚がありました。
「努力が足りないダメな人」ではなく
「特性のデフォルト設定がちょっと違う人」
もちろん、診断を受けるかどうかは人それぞれです。僕自身も、最初から「診断だ!」と動いたわけではありません。
ただ、
- 自分の脳のクセを知る
- 自分の生活の条件(仕事・家事・育児)を整理する
この二つを言葉にしたことで、「全部、自分の怠けのせい」というレッテルが少しだけゆるんでいきました。
「努力でゴリ押し」から、「整えてから動く」へ視点を変える
では、ラベルを知ったあと、何が変わったのか。
一言で言うと、
「根性でなんとかする」から
「環境と仕組みで整えてから動く」
という発想に、少しずつシフトしていきました。
僕の中でよくあるパターン
- 夜、自己嫌悪モードで「明日こそがんばるぞ」と決意
- 手帳にびっしりタスクを書き込む
- 朝、子どもが早く起きたり、予定外の家事が入る
- プランどおりに進まず、朝から崩れていく
- 「ほらやっぱり自分は続かない」と落ち込む
これを何度も繰り返して、「自分に朝活は無理なんだ」と諦めかけていました。
でも、ADHD気質の情報を知ってから、次のように問いを変えるようにしました。
- そもそも「びっしりタスク」は認知負荷が高すぎないか?
- 「朝1時間でできる現実的な量」とはどれくらいか?
- 自分の脳は「選択肢が多いと固まる」タイプではないか?
こうやって、自分を責める視点から、「どう整えれば動きやすくなるか」の視点に少しずつ移していきました。
僕がたどり着いた「朝1時間の考え方」
今の僕は、朝活1時間を、次のどれかの「モード」に分けて考えています。
- モードA:思考を整える日(ノート・ふりかえり)
- モードB:インプットの日(読書・勉強)
- モードC:アウトプットの日(ブログ・資料作成など)
ADHD気質があると、「全部ちょっとずつやろう」とすると、高確率で迷子になります。
なので、
「今日はAモードだけ」
「今日はBとCを30分ずつ」
と、やることを絞ることを意識しました。
この「モードを決める」というラベル付けも、実はかなり大きな効果がありました。
- 自分の状態に合わないタスクを無理に詰めない
- 「今日は思考整理だけ」と決めているので、できなかった感を減らせる
- 朝の10分でも「モードAのミニ版」として成立させやすい
「努力不足だから、もっと詰め込まなきゃ」から「特性に合わせたモードで、少しだけ前に進めばOK」へ。
ここから、朝が少しだけ生きやすくなりました。
朝1時間の使い方|要領が悪いままでも回せる3パターン
ここからは、もう少し具体的に「朝1時間、もしくは30分でも使えるパターン」を紹介します。
「全部やる」必要はまったくありません。自分に合いそうなものを、1つだけ試してみてください。
パターン1:10分思考整理+20分勉強+30分実務
こんな日におすすめ
- 仕事で気になっているタスクが多い
- 資格勉強も少しずつ進めたい
- 朝のうちに、1つでも「終わった」と実感したい
流れ
- 10分:頭の中のメモ書き
- A4用紙またはノートに、今気になっていることを全部書き出します。
- 「やらなきゃ」「気になっている」「モヤモヤしていること」を箇条書きでOK。
- ここでは「整理しよう」としなくて大丈夫です。
- 20分:勉強タイム
- MOSや資格のテキストを開く
- 1章だけ/1ページだけ、と決める
- 「どこまでやるか」が曖昧だと暴走しやすいので、あえて範囲を小さく。
- 30分:今日いちばん効くタスクを1つだけ
- 朝のメモから「今日の自分を助けてくれそうなタスク」を1つ選ぶ
- 例:メールの返信3通/会議資料の骨組みだけ作る/明日のToDoを3つだけ決める
ポイントは「全部やろうとしないこと」です。
1つでも前に進めば、その日はもう合格にしてOK。
パターン2:あえて「思考整理だけ」の朝にする
こんな日におすすめ
- 心がすり減っている
- 仕事や家事に追われて、頭の中がパンパン
- 勉強やアウトプットに向かう気力がほとんどない
流れ
- ノートを1ページ用意する
- 上に日付と「今日の気持ち」をひとこと書く(例:「正直しんどい」「ちょっと疲れ気味」など素直な言葉でOK)
- 左側に「現実に起きていること」、右側に「自分が勝手に想像していること」を分けて書く
例:
左(現実):
- 昨日、上司に「もっと確認して」と言われた
- メール返信が3つたまっている
右(想像):
- 上司に嫌われたかもしれない
- 仕事ができない人だと思われている
書き出してみると、「現実」と「頭の中の物語」がごちゃ混ぜになっていたことに気づきます。これだけでも、自分を責める勢いが少し弱まることがあります。
パターン3:5分×3セットの「ミニタスク朝活」
こんな日におすすめ
- 子どもがいつ起きるか分からない
- まとまった時間が取れない
- 「30分」と聞くだけで気が重くなる
流れ
- 5分でできるタスクを3つ書き出す
- 例:
- ノートに今日のタスクを3つ書く
- 本を5ページ読む
- メールを1通だけ返信する
- 例:
- タイマーを5分にセットして、一つずつやる
- 途中で中断されても、「できた5分」だけをカウントする
「5分×3セット=15分」でも、ゼロと比べたら雲泥の差です。
ADHD気質があると、「ゼロか100か」で考えがちですが、5分の積み重ねでも、1週間で見ればかなりの前進になります。
僕の朝活ログ例|「ラベル」を知ってからのリアルな1時間
ここで、ある日の僕の朝活ログを、ほぼリアルな時間軸で書いてみます。
4:10〜4:20 ぼんやりしながら、ノート1ページを書く
目覚ましを止めたあと、すぐにはシャキッと動けない日も多いです。
そんな日は、キッチンで白湯を飲みながらノートを開き、「今日の気分」「気になっていること」を箇条書きで10個くらい書き出します。
- 昨日のミスがまだ頭にある
- 今日やるべき仕事
- 子どもの保育園の準備
- 資格勉強、最近サボっているな… など
ここでの目的は、「整理」ではなく「見える化」。ごちゃごちゃした頭の中を、いったん紙の上に避難させているイメージです。
4:20〜4:40 資格勉強 or 読書タイム
この20分は、
- MOSのテキスト1セクション
- 情報系の参考書を数ページ
- 仕事に関係する本の1章
など、範囲を決めて取り組みます。
以前の僕は、「今日はここまで全部終わらせるぞ!」と張り切って、途中で心が折れていました。
今は、
- 1ページでもOK
- 寝不足の日は、図を見るだけでもOK
というくらい、ハードルを下げています。
4:40〜5:00 今日を助けるタスクを1つだけ進める
最後の20分は、ノートに書き出した中から「今日の僕を一番ラクにしてくれそうなタスク」を1つ選びます。
例えば、
- 上司への報告メールの下書きを書いておく
- 午後の会議で話すポイントを3つだけメモにしておく
- 子どもの持ち物リストを前日のうちに確認する
20分で完了しないことも多いですが、スタートだけ切っておくことが大切です。
ADHD気質があると、「着手するまで」が一番重い山になります。朝の静かな時間に「着手」だけでも済ませておくと、日中の自分がかなり助かります。
失敗した朝も、ちゃんとある
もちろん、毎日こんなにきれいにはいきません。
- スマホを開いてしまい、そのままSNSを見て終わる朝
- 子どもが早く起きて、ノートが3行で中断される朝
- 単純に、布団から出られない朝
そんな日は、以前なら「ほら、結局続かない」と自分を責めていました。
でも今は、
「ADHD気質+子育て中+フルタイム」の条件で
これだけできていたら、むしろよくやってる
と、自分に言い聞かせるようにしています。
ラベルを知ったことで、「できなかった日」の解釈も、少しだけやさしくなりました。
今日から試せる「最小の一歩」3つ
ここまで読んでくださったあなたに、今日から試せる「最小の一歩」を3つだけ提案させてください。
1. 朝のノート「1行だけ」から始める
- A4メモでも、スマホのメモでもOK
- 「今日いちばん気になっていること」を1行だけ書く
- それだけで、その日は合格にしてしまう
2. 5分タイマーで「1つだけ」やる
- 資格テキストを5分だけ開く
- メールを1通だけ返信する
- 明日の自分が助かりそうなことを1つだけ前倒しする
「5分しかできなかった」ではなく、「5分だけでも動いた自分」を認める練習だと思ってください。
3. 自分へのラベルを、そっと書き換える
今日のどこかで、心の中でこう言ってみてください。
「私は努力不足のダメな人」ではなく
「特性と環境の中で、よくがんばっている人」だと。
一気に自己肯定感が上がるわけではありません。それでも、毎日少しずつラベルの言葉を変えていくことで、見える景色はじわじわと変わっていきます。
もっと深く知りたいときに|note「整える言葉10選」へ
この記事では、
- 「努力不足」と言われ続けた僕が
- ADHD気質というラベルを知って
- 朝活×思考整理で少しずつ自分を整え直してきた過程
を、ざっくりとお話ししました。
もし今、
- 夜になると自分責めが止まらない
- 頭では分かっているのに、心がついてこない
- しんどい日に読み返せる「ひとこと」が欲しい
そう感じているとしたら、noteでまとめているこちらの記事も、きっと力になれると思います。
このnoteでは、心が弱ったときに読みたい「10個の言葉」を、小さな避難場所のように置いています。
「今日はこれだけでいいよ」「ちゃんと疲れるくらい、がんばってきたよね」そんな言葉たちが、あなたの長い一日の終わりや、これから始まる朝に、そっと寄り添えたらうれしいです。