やる気はあるのに動けないADHD脳|朝一歩目を軽くする考え方と工夫
2025.11.30投稿
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はじめに|やる気はあるのに進まない朝、ありませんか?
「今日は早めに取りかかろう」
そう決めて目覚ましを少し早くセットした朝。
子どもが起きてくる前に、
- たまっている仕事の資料に目を通したい
- 資格のテキストを10ページだけ読みたい
- 洗濯とゴミ出しをサッと終わらせたい
頭の中ではやることリストが並んでいるのに、
いざ机の前に座ると、なぜかスマホを開いてしまう。
気づけば、Threadsやニュースを眺めているうちに時間が溶けていく。
そして夜になってから、布団の中でこうつぶやいてしまう。
「また今日も、動き出せなかったな…」
※この記事は、医療の専門家ではない、ADHD気質と診断された一人の体験談です。
診断や治療については、必ず専門機関に相談してください。
前回の記事
「努力不足」と言われ続けてきた僕が、ラベルを知って少し楽になった話
では、「努力不足」というラベルから、ADHDという別のラベルを知ったことで、
少しだけ自分のことを許せるようになった、という話を書きました。
ただ、ラベルを知ったからといって、
次の日からサクサク動けるようになるか? と言われると、
正直そんなことはありませんでした。
むしろ、
- 「ADHDって分かったのに、まだ動けてない自分」が情けない
- 「ラベルを知っても行動が変わらないなんて、やっぱりダメなんじゃないか」
と、別の意味で自分を責めてしまう時期もありました。
この記事では、その「ラベルを知ったその後」の話として、
やる気はあるのに動き出せない自分と、どう付き合っていくか を、
- 朝活
- 勉強・資格
- 思考整理
という、このブログの軸から一緒に言語化していきます。
「やる気がない」わけではなく、脳のブレーキが強くかかっているだけかもしれない
まず最初に、はっきりさせておきたいことがあります。
「やる気は、ちゃんとある」
ここを、どうか疑わないでほしいんです。
僕たちがつい自分を責めてしまう構図
- 「やることは分かっているのに、動いていない」
- 「動いていない = サボっている」
- 「サボっている自分 = 努力不足でダメなやつ」
頭の中では、こんな流れで「自分責めの判決」が出てしまいがちです。
でも、ADHD気質のある脳は、
- 「新しく始めること」
- 「まだ輪郭がハッキリしていないこと」
に対して、スタートのハードルが高くなりやすい と言われています。
(ここも、あくまで“傾向”としての話です)
仕事・家事・子育て・人間関係…
ただでさえ毎日いっぱいいっぱいな中で、
- 情報は多いのに
- エネルギーは足りなくて
- どこから手をつければいいか分からない
そんな状態で、人一倍「最初の一手」にブレーキがかかってしまう。
これは、「根性がない」「怠けている」というよりも、
脳と環境の仕組みとして、最初の一歩が重くなりやすい
と考えたほうが、現実に近いと僕は感じています。
家事・育児・仕事のトリプルタスクは、それだけでハードモード
しかも、あなたはおそらく、
- フルタイムで働きながら
- 家事もして
- 子どものことも気にかけている
そんな「三刀流」で毎日を回していますよね。
同僚の中には、
「家に帰ったら自分の時間」という人もいるかもしれません。
でもあなたの一日は、仕事が終わってからが本番。
- 保育園や学校のお迎え
- 夕飯の準備
- お風呂入れ
- 宿題や明日の準備
- 寝かしつけ
ここまで終わって、ようやく一息…
そんな中で、「さあ、勉強しよう」「さあ、整理しよう」と言われても、
脳も体も、ほぼバッテリー切れに近い状態です。
だからこそ、
「やる気はあるのに動けない」を、
「怠け」ではなく「ブレーキが強くかかっている状態」と見直す。
ここが、ラベルを知った“その後”のスタートラインになると感じています。
ラベルを知ったあとの落とし穴|「分かったのに、動けない」のモヤモヤ
僕がADHD(注意力優勢型)と診断されたのは、社会人1年目のときでした。
仕事があまりにもまわらなくて、上司から受診をすすめられたのがきっかけです。
診断を受けた当初は、正直ほっとしました。
- 「努力不足」だけじゃなかったんだ
- 「だらしない性格」だけの話じゃなかったんだ
と分かっただけで、少し肩の力が抜けた感覚がありました。
でも、その後が長かった。
「分かった」だけでは、行動パターンは急に変わらない
ラベルを知ると、こう思ってしまいがちです。
「原因が分かったんだから、明日から変われるはずだ」
僕も、ADHD関連の本やブログを読みあさって、
タスク管理アプリやタイマー術をいろいろ試しました。
でも、現実はこうでした。
- 最初の数日はうまくいく
- 3日目くらいから、だんだん面倒になる
- 気づけばアプリを開かなくなる
- 「ほら、また続かなかった」と落ち込む
そして最後には、
「ADHDって分かっても、この程度しか変われない自分は、やっぱりダメなんじゃないか」
と、ラベルを知る前よりつらくなる瞬間もありました。
「ラベルを知った自分」を、さらに責めてしまうループ
ここで起きていたのは、
- ラベルを知る
- 少しホッとする
- 「じゃあ、ちゃんとやらなきゃ」とハードルを上げる
- 現実はそんなに急に変わらない
- 「ラベル知ってもダメな自分」として二重に責める
という悪循環でした。
このループから抜け出すために、僕が必要だったのは、
「大きく変わる」ことではなく、
「一歩目のハードルを下げる」こと
でした。
次の章では、そのために朝活の1時間をどう使うか、
僕なりの工夫をお伝えしていきます。
朝1時間の使い方|「最初の3分」を軽くする3つの工夫
ここからは、
「ADHD やる気あるのに動けない」状態から少しでも抜け出すために、
- 朝活
- 勉強・資格
- 思考整理
という3つの視点で、一歩目を軽くする工夫を書いていきます。
工夫1:「今日やること」ではなく「最初の3分だけ」を決める
朝活と聞くと、
- 30分読書
- 1時間勉強
- 3つのタスクを終わらせる
のように、「成果」を決めたくなります。
でも、ADHD気質の脳にとって、
「30分やる」「10ページ進める」というゴールは、
スタート前から少し重たいことが多いです。
そこで僕は、
「最初の3分でやること」だけを決める
というルールに切り替えました。
具体的には、寝る前にメモ帳にこう書きます。
- 明日の朝、最初の3分だけ:
→ テキストを開いて「目次」を眺める
→ 今日やる仕事をA4メモに3行だけ書く
→ 洗濯機のスイッチだけ押す
ポイントは、「3分あれば絶対終わること」にすることです。
3分だけ動き出せると、不思議とそのまま5分、10分と続く日もあります。
逆に3分やっても続けられなかった日は、「3分できた自分」をちゃんとカウントする。
「0か100か」ではなく、「3分できたら3点加点」くらいの感覚で見る。
これだけでも、少しずつ自己評価のつけ方が変わってきました。
工夫2:タスクは「名詞」ではなく「動詞」まで分解する
「やる気はあるのに動けないタスク」の多くは、
書き方がふわっとしていることが多いです。
- 提案書
- 片づけ
- 勉強
- 資格
こういった「名詞」で書かれたタスクは、
脳にとっては「具体的に何をすればいいのか」が分かりません。
そこで、
タスクを「動詞」まで分解する
ということを意識しています。
例えば、
- 「資格の勉強」
→ 「テキストのp.20〜25を声に出して読む」 - 「仕事の資料」
→ 「資料Aのタイトルだけ書き出す」 - 「片づけ」
→ 「ダイニングテーブルの右半分だけ片づける」
こうすると、脳が「何をすればいいか」をイメージしやすくなり、
一歩目が少し軽くなります。
僕の場合、A4の紙に
- 上:今日やる「動詞タスク」を3〜5個
- 下:夜に「できたこと」を3行だけメモ
という形で書き出すことが多いです。
(このA4メモの背景や試行錯誤は、後半のnote紹介で触れます)
工夫3:あえて「思考整理だけ」の朝をつくる
「朝活=生産性を上げる時間」と考えると、
どうしても“成果”を求めてしまいます。
でも、ADHD気質の頭は、
- 情報
- 不安
- やり残し感
などが積み重なって、そもそもキャパオーバーになっている日も多いです。
そんな日は、無理に何かを「進める」よりも、
あえて朝活を「思考整理だけ」に振り切ることがあります。
具体的には、
- メモアプリ or 紙に、「今日気になっていること」を3分だけ書き出す
- その中から、「今日絶対にやらないと困ること」を1つだけ丸で囲む
- 残りは「明日以降でもいい」と一旦棚上げする
これだけでも、頭の中の「ざわざわ」が少し落ち着く感覚があります。
進んでいないようでいて、「優先順位を決めた」という意味では、
ちゃんと一歩前に進んでいる。
そんなふうに、自分のしていることの意味を
少しだけ言葉にしてあげるのも大事だなと感じています。
僕の朝活ログ例|朝4時〜6時のリアルタイムライン
ここからは、実際の僕の朝のタイムラインを、
「うまくいった日」と「うまくいかなかった日」の両方で書いてみます。
うまくいった日(朝4時スタート)
- 4:00 起床・白湯を飲む
- 4:05 軽くストレッチしながら、ぼんやり今日の流れをイメージ
- 4:15 A4メモを開いて「最初の3分タスク」を確認
- 4:20 テキストの目次を3分だけ眺めてウォームアップ
- 4:30 乾燥機から洗濯物を取り出して畳む
- 4:40 保育園の準備(着替えセット・タオル・連絡帳などをチェック)
- 5:00 朝活開始(資格勉強/思考整理メモ/仕事タスクの分解など)
- 5:45 朝活のしめに「今日できたらいいこと」を3行メモ
- 6:00 家族の朝の時間(朝ごはん・身支度・送り出し)
この日は、
「最初の3分タスク」→家事→朝活
という流れがうまくつながったパターンです。
うまくいかなかった日(同じく朝4時スタート)
- 4:00 起床・アラームを止めたあと、そのままスマホを開く
- 4:15 SNSやニュースを眺めているうちに、時間だけが過ぎる
- 4:25 「やばい、もう4時半になる」と慌てて布団から出る
- 4:30 とりあえず乾燥機から洗濯物を出すが、畳まず山のまま置いてしまう
- 4:40 保育園の準備だけ最低限すませる
- 5:00 朝活を始めるつもりが、コーヒーを飲みながらぼーっとしてしまう
- 5:20 「もう中途半端だし、今日は無理かも」とあきらめモードに入りかける
- 6:00 家族の朝の時間スタート(バタバタしつつそのまま仕事モードへ)
以前の僕なら、この日は
「せっかく4時に起きたのに、結局朝活できなかった」
とゼロ点をつけて終わらせていました。
今は、夜寝る前にA4メモの下半分に、こんなふうに書いています。
- 今日できたこと:
・4時に一応起きられた
・保育園の準備は整えられた
・「スマホを開くと朝活が崩れやすい」という自分のパターンを再確認できた
「何もできなかった日」でも、
観察メモを残して0点から30点くらいにしておく
そんなふうに点数のつけ方を変えることで、
「明日もう一回だけやってみるか」と思えるようになってきました。
今日から試せる「最小の一歩」
ここまで読んでくださったあなたに、
今日から試せる「最小の一歩」を3つだけまとめます。
① 「明日の最初の3分だけ」を、寝る前に1つ決める
- テキストの目次を眺める
- 今日やることを3行だけ書く
- 洗濯機のスイッチだけ押す
どれでもいいので、3分で終わるものを1つだけメモに残してみてください。
② タスクを「動詞」まで分解してみる
明日の自分にお願いしたいことを、
「名詞」ではなく「動詞」で書いてみます。
- × 資格の勉強
○ テキストp.20〜25を読む - × 片づけ
○ ダイニングテーブル右半分の紙だけ捨てる
この「書き換え」だけでも、一歩目の重さが少し変わります。
③ 動けなかった日こそ、3行だけ「観察メモ」を書く
- 今日はなぜ動けなかったのか
- どんなことを考えていたのか
- それでもできた「ほんの少しのこと」は何か
を、3行だけ書いてみてください。
「動けなかった自分を、裁くためではなく、
理解するためにメモする」
この姿勢が少しずつ育ってくると、
「やる気はあるのに動けない自分」との距離感も
少しやわらかくなっていきます。
まとめ|完璧に動けなくても、「ダメ」と決めつけなくていい
最後に、この記事のポイントを簡単にまとめます。
- 「やる気はあるのに動けない」は、怠けではなく
脳と環境のブレーキが強くかかっている状態かもしれない - ラベル(ADHDなど)を知っても、行動パターンは急には変わらない
- だからこそ、「大きく変わる」よりも「一歩目を軽くする工夫」が大事
- 朝活の1時間を
・最初の3分タスク
・動詞タスクへの分解
・思考整理だけの日
として使い分けてみる - 動けなかった日こそ、「観察メモ」を残して0点から救い出す
完璧に動ける朝が続かなくても大丈夫です。
「今日は3分だけ進められた」
「今日は何もできなかったけど、パターンは見えてきた」
そんな小さな変化も、ちゃんと前に進んでいるサインです。
このブログは、
「要領が悪いまま進んでいく朝活ログ」 として続けていきます。
あなたの朝活も、きれいな成功ストーリーじゃなくて大丈夫。
一緒に、「動き出せない自分」と付き合い直していきましょう。
もっと深く知りたい方へ|noteのご案内
この記事では、
「やる気はあるのに動けない自分」との付き合い方を、
朝活と工夫の視点からざっくりお話ししました。
もし、
- 僕が社会人1年目でADHDと診断されるまでのストーリー
- 「努力不足」という言葉にずっと縛られてきた背景
- そこから「努力の意味」がどう変わっていったか
など、もう少し踏み込んだ心の裏側を知りたい方は、
こちらのnoteで詳しく書いています。
- note無料記事:
『がんばっているのに報われない…社会人1年目でADHDと知って、努力の意味が変わった話』
https://note.com/pon2note/n/na6443ff1293e
また、
- 心がしんどい日のために置いておける「言葉の避難場所」がほしい
- 自分を責めすぎてしまう癖を少しゆるめたい
- 印刷して手元に置けるような言葉があると安心する
そんな方には、こちらの有料noteもつくりました。
- note有料記事:
『整える言葉 10選 —心が疲れた日のために—』
https://note.com/pon2note/n/nd0a310652b9f
「がんばれ」ではなく、
心の温度を少しだけ元に戻してくれる言葉を集めています。
「背景も知りたい」「実際の言葉を見てみたい」と感じた方は、
よければのぞいてみてください。